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-西口良次氏経済産業大臣認定-
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播州三木打刃物が誇る 伝統工芸士が造る逸品 西口良次氏

伝統の証を小刀に込めて

その昔、三木城が羽柴秀吉によって滅ぼされたあと、兵火に焼かれた町が復興し、江戸中期から鍛冶の町として栄えた兵庫県は三木市。
伝統工芸士として認定された数少ない職人の中でも唯一、昔ながらの製法を用いて最初から最後までを一人で成し遂げ、小刀を造り上げられるのが西口良次さんです。

昭和9年に生まれ、15歳の頃からこの地で小刀造りの伝統的技法を学び、2代目として56年間伝統を守り続けています。
昔から伝わる古式鍛錬の技法によって造り出される作品には、手造りでしか表現できない独特の風合いと、魂が物語る抜群の切れ味が特長。まさに世界で1つの自分だけの宝物。

なんと、この西口良次さんは、たたら製鉄法でできたケラから小刀を造るのに成功した始めての人なのです。たたらとは土を固めて作った古代の溶鉱炉のことで、この中に砂鉄を溶かして鉄塊を作ります。その鉄塊がケラです。完成したのは長さ21cmの小刀が6丁。「ケラから刃物を作ってほしい」との要望から出来上がったこの小刀は、鍛錬に時間と労力がかかる上、温度調節が難しく、繊細な業と巧みな技術が必要になるため、失敗する人が数多くいたそうです。

今では作られなくなった神社や仏閣などを解体した時にでる貴重な「和釘」を、丁寧に叩き上げて造られる味のある小刀や、昔ながらの製法で造られる様々な小刀は息を飲む逸品です。
現在では、若い小刀職人に指導を行いながら伝統工芸のすばらしさを伝え守る一人として活躍しています。

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